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梶原郁郎
〔キーワード〕0の段のかけ算の式理解,1あたりの量×いくつ分,事実と事例,日常的知識と教科の知識
本稿は, 0の段のかけ算の授業内容(二時間構成)による学習援助の効果について, 事前事後質問の結果を踏まえて報告している。「0×2」「0×0」と「2×0」との相違の理解をも教育目標に含めて構想した本授業内容は, 「1あたりの量」の理解がかけ算の式(1あたりの量×いくつ分)理解の根幹となるという認識に基づいて, 1あたり「2」「3」「8」「0」のモノを身の回りから見つけさせる発問を土台としている。これは, 日常的知識であるそれらのモノ(事実)を「1あたりの量」(教科の知識)の事例に昇格させる思考を促す発問である。この発問を軸とする本授業内容は小学4年(32名)を対象に実践され, 一時間目の事前質問では「4×2」の文章問題に「2×4」と正答した児童は11名(35%), 二時間の事前質問では「2×0」「0×2」「0×0」の文章問題全てに正答した児童は3名(10%)であった。これらの数値が事後質問でどう変化したのかを示して, 本稿は, 本授業内容による学習援助の効果と課題を提示している。