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舛田弘子
〔キーワード〕説明的文章,読解,観点,道徳的読解スキーマ(MRS),文章依存性
異なる2種類の説明的文章を用いて,MRSの活性化における文章依存性の有無を検討した。被験者は,大学生女子63名であり,前期の講義中に材料文①,後期の講義中に材料文②の読解と質問への回答が行われた。結果として,MRSは特定の説明的文章にのみ観察されるものではなく,様々な説明的文章に現れる可能性のあるものであることが確認された。加えて,MRSは特定の読者が一貫して活性化するものというよりは,文章内容によって活性化が生じる場合と生じない場合がある可能性が示された。ただし,MRSの活性化を一貫して生じない読者が存在することが推測される。また,不適切な読解を行った読者と,適切な読解を行った読者との間に,MRS活性化に関して有意な差はなかった。MRSの活性化と深い関わりがある読解として,読者は文中の曖昧な表現を単純化し,著者の主張部分を積極的に読み取っている傾向が示唆された。</p>

舛田弘子
〔キーワード〕説明的文章,読解,観点,道徳的読解スキーマ(MRS)
本研究は,説明的文章の読解に及ぼす「観点」の影響を調べたものである。調査1では,被験者は,説明的文章について,要約文と意見文を書くよう教示された。要約文によって読解内容が,意見文によって観点が測定された。主な結果として,要約のIUと連接関係から,文章の拾い読みを行っている可能性のある読者が,全体の半数程度であることがわかった。また,適切に読解を行った群の方が主旨をよりよく記述していたのに対し,不適切な読解を行った群では,道徳・教訓的などの不適切な観点を示す傾向があった。調査2では,被験者は,調査1と同じ文章について,著者の意図を回答するよう教示された。この課題によって,文章の理解を促進させることが意図された。結果として,適切な読解を行った群は6割未満であり,この課題に適切な読解を行わせる有意な効果はなかったことが示された。適切な読解を行った群は,不適切である群と比べて,観点数が少なく,観点の質では,より適切であることが示された。これらの結果から,「説明的な文章の読解の不適切さ」は,「形式的・事実確認的な読み」に失敗したために,読者が自分なりの不適切な「観点」,例えば「Moral Reading Schema:MRS」などを多用したことの結果として生じたと考えられる。